会話をしている時に、相手が近すぎて不快感や違和感を感じたことはありませんか?
人は、「相手が自分に近づくことを許せる距離」というものを持っています。
その距離とは、自分の空間的な縄張りのことを指し、それを「パーソナルスペース」といいます。
パーソナルスペースは相手との親密度によって変わります。
意識してそれを使い分けることで、職場や商談の場において心地よい距離感を保つことが出来るのです。
心地よいコミュニケーションを築くためにも、パーソナルスペースを意識して使い分けるようにしましょう。
パーソナルスペースの種類
パーソナルスペースは、大きく4つに分類されます。
密接距離(対象:家族、恋人、親友)
・0~15cm …親しい間柄で体を触れ合うコニュニケーションが主体となる
・15~45cm …手を伸ばせばすぐに届く距離。親しくない間柄ではストレスを感じる
個人距離(対象:友人、知人)
・45~75cm …手を伸ばせば簡単に触れられる距離。友人などと過ごすのに適している。
・75~120cm …手を伸ばしてギリギリ届く距離。ビジネスでの通常の会話では少し近いと感じられる。
社会距離(対象:仕事相手)
・120~210cm …体に触れられない距離。上司、同僚などと会話する時に適している。
・210~360cm …声が普通に聞こえる距離。全体的な姿がみえてオフィシャルな場に適している。
公衆距離(対象:知らない人)
・360~750cm …簡単な受け答えができる距離。プレゼンなどで質疑応答をするのに適している。
・750cm~ …細かな言葉は伝わらない距離。講演会などマイクを使用する場で使われる。
パーソナルスペースを見極めよう
パーソナルスペースの種類を見れば分かるように、ビジネスに適しているのは「社会距離」になります。
ビジネスにおいてパーソナルスペースを意識する具体的な例として、接遇時の販売員を挙げてみましょう。
最初に意識するべきは、お客様へのファーストアプローチ時の距離です。
この時にお客様のパーソナルスペースを乱すと、その方の防衛本能が働き、結果拒絶されてしまいかねません。
そのため、まずはお客様を驚かせることのないよう、自分の存在や全体像ををきちんと認識してもらうことから始めます(その時の距離=210~360cm)。
そこから会話を通して、徐々に距離を縮めていくというのが良いアプローチです。
一度、パーソナルスペースに入る事を許してくれたお客様と言うのは、徐々に販売員に打ち解けてくれるケースが殆どだと言われてます。
相手とのパーソナルスペースを上手に見極め、ビジネスチャンスへと繋げていきましょう。
パーソナルスペースはそれぞれで違う
近年、日本には多くの外国人が暮らすようになりました。
パーソナルスペースは、国によっても違います。
日本は島国ということもあってか、他国に比べて非常に広いパーソナルスペースを必要とする国民性があります。
それに対して「ハグ」の挨拶が根付いている外国人への接遇や応対には、多少なりとも見極めの変化が必要になることでしょう。
また、一概には言えませんが、パーソナルスペースは外見に自信がある人は狭く、コンプレックスを抱えている人ほど広い傾向があるようです。
マニュアルにとらわれず、その場の雰囲気を考えながら臨機応変に応対していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回お話したパーソナルスペースというのは、心理学的な要素があります。
ビジネスと心理学というのは、実は密接に関わっているのです。
ほとんどのビジネスは人と関わっていくことが必要であり、その中で相手の気持ちを汲むということ、すなわち心理を読むということは避けては通れません。
パーソナルスペースは心理学のごく一部ですが、それを学ぶことで人との関わり方に納得出来る部分や、おもしろく感じる部分もでてくることでしょう。
「パーソナルスペースを知る」ことで自分を高めながら、ビジネスや人生を楽しんで過ごしていきたいものですね♪(^^)
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