高齢者の運転免許自主返納が進まない理由とは?

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このところ、立て続けに高齢の方が運転する車での事故が報道されています。
自分の年齢と重ねて、他人事とは思えないと感じている方も多いのではないでしょうか。

日本ではこれからますます高齢化が進んでいくこと、定年退職年齢が上がり通勤等で車が手放せない状況が増えることで、高齢者の車利用は今後ますます増える傾向にあり、それが自主返納が進まない理由に繋がっているのです。

ここでは、現在高齢の両親の持つ私の話を交えながら、高齢者の運転免許自主返納が進まない理由について書いていきます。

ギアを切り替え忘れて車を大破させた父の話

1年程前、父の運転する車で両親が田舎のとあるイベントに車で出かけ、会場の駐車場で運転操作を誤り車を大破させました。

駐車スペースに停めようとバックするつもりが、すごい勢いで前進してしまったのです。
理由はギアをバックに切り替え忘れたためです。

結果、前方にあった木に突っ込み、フロントガラスは割れてボンネットはくしゃくしゃ・・・車はまったく動かずレッカーで移動しました。
幸い両親はエアバックのおかげでケガはなく、ぶつかった相手が臨時駐車場内の木だった為、大事にならずに済みました。

事故当時、父の年齢は70歳。
私の両親は、以前より60歳を越えたあたりから、運転することに対しての不安が大きくなったと話していました。

「夜はよく見えないし、判断力も昔よりだいぶ鈍ってきている。」そう感じている一方で、
「活動範囲が狭まることで、他者とのコミュニケーションをとる機会が減ることになる。その結果、老いに拍車がかかることが心配。」という思いもあるようです。

「運転に不安があるが車が必要」

このように思っているのは、私の両親に限ったことではないのではないでしょうか。

高齢でも免許を自主返納しない理由とは

前文では私の父が体験した例を挙げましたが、その他にもいくつか理由を耳にしましたのでご紹介します。

「車以外の移動手段が少ない」
公共交通機関が発達している首都圏は別としても、そうではない場合は車を手放すのはなかなか難しいという話を多く耳にします。
地方に行くほど車は欠かせない移動手段の一つなのです。
「自分のことを自分でやる為に必要」
核家族化が進み、さらに共働きの家庭が多い今の世の中、高齢者のご家族の方が常々買い物などの送迎を手助けするのは難しい状況が多いことでしょう。
その為、高齢運転者には「自分のことは自分でやらなければ」や「小さな用事の為に家族に迷惑をかけられない」という思いもあるのです。
「運転しなければならない状況」
少子高齢化の影響で人材不足の日本には、高齢になってもバリバリと仕事をこなす方がたくさんいます。
特に高齢化が進む農村等では荷物等の運搬には車が必要不可欠です。また、通勤や営業等で、高齢にも関わらず「車を運転しなければならない状況」が増えているのです。
「運転に自信を持っている」
「老い」に気付いていないというパターンもよくあります。老いというのは突然やってくるのではなく、徐々に訪れるものです。
その為、感覚器官や判断力の低下などの老化に気付かず、若いころと同じ感覚で運転している高齢者もいます。
なにかのきっかけがない限り「免許の返納」を意識する可能性は低いでしょう。

まとめ

高齢者が車を必要とする理由は様々です。
その理由こそ、高齢者の免許自主返納が進まない理由に繋がっているように思います。

時折、単純に「高齢者は免許を返納するべきだ!」と言う人も中にはいますが、解決の糸口を見つけないままにそれを高齢者に押し付けるのはあまりにも乱暴なような気がします。

高齢者が事故を予防するために自動ブレーキ搭載車を使用することはとても有効です。
また、高齢運転者本人が自分の老いを自覚し、それに対するご家族の配慮や高齢者本人に気付きを促すことで、事故を予防することも出来るでしょう。

これからますます高齢化が進んでいく中、それに高齢者の運転事故が比例しないよう、今後どのように予防・回避していくのかが大きな課題となるのかもしれません。

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